他人物売買の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/17 13:33 UTC 版)
他人の所有物を売買の目的とする契約を他人物売買といい、フランス民法や旧民法はこれを無効とするが、ドイツ民法や日本の民法はこれを有効とする(561条、旧560条)。売買は直接には債権債務関係を生じさせる債権契約であり、他人に財産権が帰属していることは財産権移転の時期を制限する財産権移転の障害となる特段の事情にすぎないからである。売買契約時に他人の物でも、約束の期日(履行期)までに売主が他人から所有権を取得すればよい。この所有権取得のときに、財産権移転の障害となる特段の事情が解消したことになり、所有権は買主に移転することになる。 他人の所有物を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う(561条、旧560条)。もし、売主が所有権を取得できず、買主に所有権を移転できなかった場合は債務不履行となる。日本の民法では565条により追完請求権(562条)、代金減額請求権(563条)、損害賠償請求権(564条)、契約解除権(564条)の規定が準用される。
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