仏陀の同等性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/23 14:57 UTC 版)
『マハーヴァストゥ』の中には、大乗仏典と強く類似する仏性についての説出世部の説明がかなりの程度含まれる。ある節では、多くのデーヴァは仏陀の栄光に対して日覆いを設置し、仏陀はすべての日覆いそれぞれの下に姿を現す。それぞれのデーヴァは自分の特別な栄光を信じて疑わず、自分の仏陀が架空の性格を持ち、彼が見る他のデーヴァが見る仏陀と異なるところがないことに気付かない。これは大乗仏典の『首楞厳三昧経』における説明と一致する。この経典では、仏陀は様々なデーヴァのために用意された膨大な数の獅子の玉座の上に同時に現れたが、それぞれのデーヴァには自分のために用意された玉座に座る仏陀しか見えなかった。ちょうどいいころあいになると全ての仏陀がデーヴァ達に見えるようになり、デーヴァの内の一人がどの仏陀が本物なのかと問うた。『首楞厳三昧経』では、仏陀の答えは究極的には、自分たちは皆同じである、というのは仏性はあらゆる現象から離れていないからである、というものであった。
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