人獣共通感染症の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 01:56 UTC 版)
「人獣共通感染症」の記事における「人獣共通感染症の問題点」の解説
特に以下の点が公衆衛生上大きな問題となる。 新興感染症としての人獣共通感染症 種々の動物がペットとして輸入され飼われる機会が増えたことなどにより、従来は稀であったり知られていなかった病原体がヒト社会に突如として出現する。このように新興感染症として現れた場合、未だヒトが免疫を獲得していないために大流行を引き起こす危険性が高く、診断や治療の方法も確立していないために制圧が困難である。2003年に出現した重症急性呼吸器症候群(SARS)にこの問題点が顕著に見られた。 予防の難しさ 1980年に撲滅宣言が出された唯一の感染症である天然痘では、その原因となる痘瘡ウイルスがヒトにのみ感染するものであり、かつ終生免疫が成立するワクチンの開発に成功したことが、その功績につながった。すなわち世界中の人すべてにワクチンを接種すれば、それ以上天然痘は伝染しえない。 これに対して人獣共通感染症である狂犬病ウイルスは撲滅して予防することが極めて困難だと言われている。狂犬病ウイルスは全ての哺乳類に感染するため、それら全てにワクチンを接種することは極めて困難である。またネズミなどの小動物はきわめて小さな門戸から侵入して感染源となることがあり、予期せぬ接触によって感染する危険性がある。
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