人工オーロラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:15 UTC 版)
オーロラの発生原理に基づいて、状況を人工的に再現すれば、人工的にオーロラを発生させることができる。実験室の中でもオーロラを発生させることができる。 1969年から1970年代にかけて、ロケットに電子銃をのせてオーロラが出る高度で発射する実験が行われた。この実験により、電子ビームは南北半球を磁力線に沿って往復してもエネルギーをほとんど失わないこと、磁力線の長さと形は算出・予想の通りだったことがわかった。 「宇宙花火」も参照 電離しやすく色がある程度はっきり出る物質をロケットに積み込んで、上空約100km以上の空域でトレーサーとして撒けば、人工オーロラが出る。使われる物質は、最初期の実験ではナトリウム、その後はより残留する明るい物質としてセシウム、リチウム、ストロンチウム、バリウムなどが、また蛍光物質も使われることもある。最も良いトレーサーはバリウムの蒸気が太陽光によって共鳴散乱してできる雲である。このバリウムの雲は、赤色と黄色の2色で輝いてから緑色に変わるものと、紫色から青色に変わるものの2種類できる。普通この実験はオーロラの仕組みを調べることよりも、上空の風や電磁場を調べるために行われる。電離するためには太陽光が必要であり、なおかつ人工オーロラの光は太陽光にかき消されるほど弱いので、実験はたいてい宵や明け方に行われる。赤道付近で人工オーロラを発生させると、赤道付近は磁力線が地面とおおよそ並行になっているため、横長なオーロラが出現する。
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