人命を救う勇気を持つ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 16:49 UTC 版)
心臓や呼吸が停止している場合、そのまま放置しておくと間違いなく死亡する。救急車が到着するまでに何らかの応急処置を施すだけで、傷病者の生存率は極めて高くなる。 心停止の人に胸部圧迫(心臓マッサージ)を行うと胸部の骨を折ってしまうことがあるが、骨を折ることを恐れて胸部圧迫をしなければ患者の命は失われ、二度と戻らない。一方、命が助かれば、骨が折れていてもそれは時間が経てば治癒し、骨が折れる前の状態に戻ることが可能である。この場合、後者の方が望ましいのは言うまでもない。 自身の安全が確保・確認されれば、人の命を救う勇気を持って、躊躇せずに救命手当を実施することが必要不可欠である。講習実施各機関でも「修了者は自信を持って事に当たって欲しい」と呼びかけている。 仮に救命手当を施して、蘇生後に何らかの身体傷害が残ったとしても、善意に基づくものであれば、日本では、民事上も刑事上も免責されるとするのが法学者の通説(緊急避難行為)であり、警察庁や総務省消防庁、厚生労働省、日本医師会、日本赤十字社などが共同で編纂した『救急蘇生法の指針』においても免責がはっきりと謳われている(具体的には刑法37条や民法698条などが根拠となる)。実際、日本でも救命手当てをした人が処罰されたことはない。 多くの欧米諸国では、応急処置に伴う免責を規定する「善きサマリア人の法」(英: good Samaritan law)と呼ばれる法令が整備されており、積極的な応急処置の推進の一助となっている。
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