酸化スズ(IV)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/24 22:51 UTC 版)
酸化スズ(IV) | |
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酸化スズ(IV) |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 18282-10-5 ![]() ![]() |
PubChem | 29011 |
ChemSpider | 26988 ![]() |
EC番号 | 242-159-0 |
RTECS番号 | XQ4000000 |
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特性 | |
化学式 | SnO2 |
外観 | 白色から明るい灰色の粉末[2] |
匂い | 無臭 |
密度 | 6.95 g/cm3 (20 ℃)[3] 6.85 g/cm3 (24 ℃)[4] |
融点 | |
沸点 | 1800-1900 °C, 2073-2173 K, 3272-3452 °F (昇華[3]) |
水への溶解度 | 不溶[4] |
溶解度 | 熱濃アルカリ[4]、濃い酸に可溶 アルコールに不溶[3] |
磁化率 | −4.1·10−5 cm3/mol[4] |
屈折率 (nD) | 2.006[5] |
構造 | |
結晶構造 | ルチル型 正方晶, tP6[6] |
空間群 | P42/mnm, No. 136[6] |
格子定数 (a, b, c) | a = 4.737 Å |
格子定数 (α, β, γ) | α = 90°, β = 90°, γ = 90° |
配位構造 | 八面体型 (Sn4+) 平面正三角形型 (O2−) |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−577.63 kJ/mol[4][7] |
標準モルエントロピー S |
49.04 J/mol·K[4][7] |
標準定圧モル比熱, Cp |
52.6 J/mol·K[4] |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 0954 |
NFPA 704 | |
許容曝露限界 | none[2] |
半数致死量 LD50 | > 20 g/kg (ラット、経口)[8] |
関連する物質 | |
関連する酸化 スズ | 酸化スズ(II) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
酸化スズ(IV)(さんかスズ よん、英: tin(IV) oxide)、または二酸化スズ(にさんかスズ、英: tin dioxide)(古くは酸化第二スズとも)は、化学式SnO2で表されるスズの酸化物である。スズは複数の価数を持つ金属なので、酸化スズ(IV)とし、系統的な命名法では二酸化スズとはしない。
酸化スズ(IV)の鉱物は錫石といい、スズの鉱石鉱物である[9]。多くの別名があり、スズの化学における最も重要な原料である。外観は無色の粉末。反磁性をもつ。両性酸化物である。
構造

6配位のスズ原子、3配位の酸素原子からなるルチル型の結晶構造を持つ[9]。酸化スズ(IV)は酸素が欠乏したn型半導体とされている[10]。水和物は古くはスズ酸ともいったが、粒径によって異なる水分量をもつ酸化スズ(IV)の微粒子であることが明らかになっている[11]。
合成
酸化スズ(IV)は天然に産出するが、金属スズへの還元ののち、空気中で燃焼させることで精製される[11]。年間産出量は10ktの範囲である[11]。酸化スズ(IV)は工業的には反射炉中で炭素とともに1200-1300℃に熱することで金属スズに還元される[12]。
両性酸化物
酸化スズ(IV)は水に溶けず、また錫石も酸やアルカリに溶解しないが、両性酸化物である[13]。
酸化スズ(IV)の水和物をスズ酸といい、水酸化第二スズ(水酸化スズ(IV))ともいう。
ハロゲン化水素酸は酸化スズ(IV)と反応して
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