九州電気軌道200形電車とは? わかりやすく解説

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九州電気軌道200形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/22 10:00 UTC 版)

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九州電気軌道200形電車
西日本鉄道200形電車
基本情報
運用者 九州電気軌道西日本鉄道
製造所 日本車輌製造汽車製造
製造年 1934年
製造数 12両(201 - 212)
改造年 1952年(機器交換)
廃車 1977年
投入先 北九州線
主要諸元
編成 1両(単行運転)
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
車両定員 70人(着席30人)
車両重量 16.0 t
全長 12,110 mm
全幅 2,286 mm
全高 4,004 mm(集電装置含)
台車 ブリル 27GE-1(登場時)
日立製作所 KBD-11(改造後)
車輪径 838 mm(登場時)
660 mm(改造後)
固定軸距 1,500 mm(改造後)
動力伝達方式 吊り掛け駆動方式
主電動機 日立 HS-312-BR(改造後)
主電動機出力 37.3 kw(登場時)
45 kw(改造後)
歯車比 3.00(登場時)
3.11(改造後)
出力 74.6 kw(登場時)
90 kw(改造後)
定格速度 35.0 km/h
定格引張力 910 kg/h
制御方式 抵抗制御(直接制御方式)
制動装置 空気ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。
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九州電気軌道200形電車(きゅうしゅうでんききどう200がたでんしゃ)は、九州電気軌道(現:西日本鉄道)が路面電車路線の北九州線向けに製造された電車である[1][4][5]

概要・運用

1911年6月の北九州線開業時に導入された木造ボギー車の1形はその後も主力車両として活躍を続けたが、1930年代以降老朽化が目立つようになっていた。そこで、1形のうち9両と余剰となった散水車3両の台車や機器を流用する形で製造が実施されたのが200形である[4][6]

車体は両端2箇所に引き戸を有する半鋼製で、北九州線初で初めて鋼製車体を用いた66形(車体交換前)に準じたものであったが、製造を手掛けたメーカーによって車体形状に若干の差異[注釈 1]が存在した。また、製造当初は種車の台車(ブリル 27GE-1形)の都合上高床式となり、主電動機の出力値も66形以降の半鋼製電車(45 kw)と比べて低い37.3 kwだった。主幹制御器についても種車のゼネラル・エレクトリック製の機器(GE-K14)がそのまま用いられた。車内の座席は全席ロングシートで、照明には白熱灯が用いられた[1][4][6]

1934年から1937年にかけて日本車輌製造製の6両(201 - 206)、汽車製造製の6両(207 - 212)が導入されたが、他の半鋼製電車と比較しての性能不足に加え、27GE-1形台車の固定軸距が軌間(1,435 mm)より狭い事に起因する高速運転時の振動多発が課題となっていた。そのため、第二次世界大戦後の1952年に改造が実施され、台車を車輪径が小さい日立製作所製のKBD-11形に、主電動機を出力45 kwのものに交換する事で他車と性能や床面高さを合わせた他、乗降扉についても引き戸から2枚折戸に変更した。それに伴い、扉付近の側面形状にも変化が生じた。更に1954年以降は照明の蛍光灯への変更など車内の改良も実施された[5][3][4][6][7][8]

以降も全車北九州線で使用されたが、ダイヤ合理化に伴い余剰となり、1973年12月から1977年3月にかけて全車廃車となった。ワンマン運転への対応工事は実施されなかった[4][6][9]

脚注

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注釈

  1. ^ 日本車輌製造製の車両は乗降扉上部が窓上部より高い位置に存在した一方、汽車製造製の車両は同じ高さに揃っていた。車体交換前の66形と同型だったのは後者であった[5]

出典

参考資料

  • 朝日新聞社「日本の路面電車車両諸元表」『世界の鉄道 昭和48年版』、1973年10月14日、170-181頁。
  • 飯島巌、谷口良忠、荒川好夫『西日本鉄道』保育社〈私鉄の車両 9〉、1985年10月25日。ISBN 4-586-53209-2



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