両国とも同一の生産技術を持つ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 10:26 UTC 版)
「ヘクシャー=オリーン・モデル」の記事における「両国とも同一の生産技術を持つ」の解説
上述のように、HOモデルは、各国で利用可能な生産関数が同一であると仮定することで根本的にリカード・モデルと異なる。生産関数は、労働と資本と生産物に変換する。 この仮定は、どの財であれ等量の生産量を、等量の資本と労働でどの国でも生産しうることを意味している。実際には、各生産要素の相対的な利用可能性のためどの国でも同じバランスを用いることは非効率である。しかし、原則として、これは可能である。言葉を換えれば、同一の資本と同一の技術の両国で一人当たりの生産性は等しい。 各国は、互いとの関係において相対的に様々な財の生産に自然の優位を持っているので、この仮定は、異なる生産要素賦存に注目するための非現実的な単純化である(このことは、HOモデルがリカード・モデルと補完的というよりもむしろ代替的な説明を貿易に与えるものであることを意味している)。現実には、技術の違いと生産要素賦存の違いの両方の効果が起こるだろう。ある種の財のほかの種の財(例:ワインに対する米)の生産に対する自然の優位に加えて、社会基盤や教育、文化、ノウハウが大きく異なるので、同一技術という仮定はまさに理論上の概念である。オリーンは、HOモデルは長期のモデルであり、長期には工業生産の条件はどこでも同じであると言っている。
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