世界の世界性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 21:10 UTC 版)
「われわれは『世界の中に』いる」という「現象」において、この世界とは一体何なのか?世界とは、存在的には、その中で現存在が生きているものであり、また、存在論的には、現存在そのものの性格である。世界とは多義的な言葉であるが、存在論的=実存論的概念として用いるときは世界性、その中の個別の存在者は世界内存在者と呼ぶ。このような観点においては、現存在は、存在者を「自然」として発見できるのは、その特定の態様においてにしかすぎない。そこで、彼は、最も身近な環境世界を出発点として世界性一般の理念に至るという論証を選択する。環境世界とは、空間とも密接に関連しているが、第1義的には「身の周り」ということが構成な意味を持っている概念である(第1篇3章14節)。 現存在が日常的に身の周りでであう世界内存在者は、理論的な世界認識の対象として存在しているものではなく、ものを操作し、使用する配慮であって、使用中、制作中のものである(第1篇3章15節)。
※この「世界の世界性」の解説は、「存在と時間」の解説の一部です。
「世界の世界性」を含む「存在と時間」の記事については、「存在と時間」の概要を参照ください。
- 世界の世界性のページへのリンク