不動点意味論とは? わかりやすく解説

不動点意味論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 16:28 UTC 版)

表示的意味論」の記事における「不動点意味論」の解説

表示的意味は、システムが行うことを表現する数学的オブジェクト探すことに関心がある。この理論計算数学的領域ドメイン)を利用するそのような領域の例として完備半順序集合などがある。 関係 x≤y は、x が y に計算的に発展する可能性があることを意味する表示完備半順序集合要素ならば、例えば f≤g は f が定義されている全ての値について g と等しいことを意味する計算領域次のような特徴を持つ: 下限存在: 領域には必ず ⊥ で表される要素含まれ領域内の任意の要素 x について ⊥≤x が成り立つ。 上限存在: 計算続けると表示洗練されるが、限界を持つべきである。そのため、 ∀ i ∈ ω {\displaystyle \forall i\in \omega } x ix i + 1 {\displaystyle x_{i}\leq x_{i+1}} としたとき、上限 ∨ i ∈ ω x i {\displaystyle \vee _{i\in \omega }x_{i}} が存在する。これを ω {\displaystyle \omega } -完全と呼ぶ。 有限要素可算: 有向集合 A について ∨A が存在し x ≤ ∨ A {\displaystyle x\leq \vee A} であるとき、 x ≤ a {\displaystyle x\leq a} であるような a ∈ A {\displaystyle a\in A} が存在するそのとき要素 x は有限であるという(領域理論的に言えばisolated)。換言すれば、x に到達あるいは x を超えるのに有限プロセスで可能であるなら、x は有限である。 全ての要素有限要素順序の上限である: 任意の要素有限計算手順で到達することを意味している。 領域downward closed である システム S に関する数学的表示は、初期の空の表示 ⊥S から始めて表示近似関数 progressionS を使って S の表示(意味)を構築していくことでよりよい近似作っていくことで構築される。これは以下のように表される: DenoteS ≡ ∨i∈ω progressionSi(⊥S). ここで、progressionS は「単調」であるべきで、x≤y であるとき progressionS(x)≤progressionS(y) である。さらに一般化する次のように表される。 もし ∀i∈ω xixi+1 ならば progressionS(∨i∈ω xi) = ∨i∈ω progressionS(xi) このような progressionS の特徴を ω-連続と呼ぶ。 表示的意味論では、DenoteS の方程式に従って表示(意味)を作成可能かどうか主題とする。計算領域理論基本的定理は、progressionS が ω-連続ならば、DenoteS が存在するというものである。 そこで、progressionS が ω-連続であることから以下が成り立つ: progressionS(DenoteS) = DenoteS これはつまり、DenoteS が progressionS の「不動点; fixed point」であることを意味する。 さらに、この不動点は progressionS の不動点の中で極小である。 関数型言語表示的意味論実例次節に示す。

※この「不動点意味論」の解説は、「表示的意味論」の解説の一部です。
「不動点意味論」を含む「表示的意味論」の記事については、「表示的意味論」の概要を参照ください。

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