不動点の決定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 03:18 UTC 版)
メビウス変換 f ( z ) = a z + b c z + d {\displaystyle f(z)={\frac {az+b}{cz+d}}} の不動点は不動点方程式 f(γ) = γ を解くことで得られる。c ≠ 0 のとき展開して整理して得られる二次方程式 c γ 2 − ( a − d ) γ − b = 0 {\displaystyle c\gamma ^{2}-(a-d)\gamma -b=0} からふたつの根、つまり変換の不動点 γ = ( a − d ) ± ( a − d ) 2 + 4 b c 2 c = ( a − d ) ± ( a + d ) 2 − 4 ( a d − b c ) 2 c {\displaystyle \gamma ={\frac {(a-d)\pm {\sqrt {(a-d)^{2}+4bc}}}{2c}}={\frac {(a-d)\pm {\sqrt {(a+d)^{2}-4(ad-bc)}}}{2c}}} は直ちに得られる。変換が抛物型なら (a + d)2 = 4(ad − bc) で不動点が一致することに注意する。また判別式は ( a − d ) 2 + 4 c b = ( a − d ) 2 + 4 a d − 4 = ( a + d ) 2 − 4 = ( tr H ) 2 − 4 {\displaystyle (a-d)^{2}+4cb=(a-d)^{2}+4ad-4=(a+d)^{2}-4=({\text{tr}}\,{\mathfrak {H}})^{2}-4} となる。c = 0 の場合は二次方程式は一次方程式に退化してしまうが、これは不動点が無限遠にある状況に対応している。このときさらに a ≠ d ならもう一方の不動点は有限であり、 γ = − b a − d {\displaystyle \gamma =-{\frac {b}{a-d}}} で与えられる。この場合のメビウス変換は、平行移動と回転変換および拡縮変換の合成として z ↦ α z + β {\displaystyle z\mapsto \alpha z+\beta } で与えられる単純な変換になる。いっぽう、c = 0 かつ a = d の場合は不動点がふたつとも無限遠にあるときで、メビウス変換が純粋な平行移動として z ↦ z + β {\displaystyle z\mapsto z+\beta } なる形に表される状況に対応している。
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