不具合の事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 03:03 UTC 版)
「マジックナンバー (野球)」の記事における「不具合の事例」の解説
共同通信社の「マジックナンバー計算プログラム」の不具合として、以下の事例が挙げられる。 2009年9月12日に、CMが1となった巨人のクライマックスシリーズ進出決定が報じられた。9月11日終了時、セ・リーグで、巨人は75勝39敗9分で勝率.658。CM「1」と報じられていた。巨人は残り21試合全敗した場合の最終勝率.556(75勝60敗9分)となる。6位の横浜(43勝78敗0分)は残り23試合に全勝しても最終勝率は.458、5位の広島(55勝63敗4分)も残り22試合に全勝しても最終勝率.550であり、この2チームはいずれも巨人を上回れない。一方、3位のヤクルトは56勝61敗1分で、残り26試合全勝すると最終勝率は.573、4位の阪神は56勝62敗4分で、残り22試合に全勝すると最終勝率は.557となり、いずれも巨人が残り試合全敗した場合の最終勝率を上回るので、共同通信社の配信記事は、巨人のCMを「1」としていた。 しかし、この時点で阪神は残り試合に全勝しないと巨人の勝率を上回れない状態にあり、一方のヤクルトは2敗以内であれば巨人を上回る可能性はあったものの、ヤクルトと阪神の直接対決が6試合残っていたために両チームが揃って巨人を上回る可能性はなく、同時に巨人が4位以下になる可能性もなくなっていたので、CS進出が既に確定していたことが発覚した。 この事例では、阪神とヤクルトが「巨人を上回れる最低成績での敗戦数の合計」が「阪神・ヤクルトの直接対決の数(6)」未満となれば、いずれか一方はその他の試合を全勝しても巨人の成績を上回れなくなるので、その時点で巨人の3位以上は確定するので、実際には9月11日の前日の9月10日の時点で、巨人のCS進出は決定していたことになる。 9月9日 巨人 敗戦(73勝39敗9分 .652)残り23試合 全敗時73勝62敗9分 .541 ヤクルト 敗戦(55勝60敗1分 .478)残り28試合 阪神 勝利(55勝61敗4分 .474)残り24試合 阪神は残り21勝3敗であれば.542となり巨人を上回る。ヤクルトも残り23勝5敗であれば.543で巨人を上回るので、この日の時点では確定していない。 9月10日 巨人 勝利(74勝39敗9分 .655)残り22試合 全敗時74勝61敗9分 .548 ヤクルト 敗戦(55勝61敗1分 .474)残り27試合 阪神 敗戦(55勝62敗4分 .470)残り23試合 阪神は残り22勝1敗で.550となるが、この場合のヤクルトの最高勝率は22勝5敗(阪神との直接対決で最低5敗を要するため)で.538となる。逆にヤクルトが24勝3敗とした場合は.552となるものの、阪神の最高勝率は20勝3敗時の.536となるので、両チームが同時に巨人を上回れる可能性が消滅した。 (9月11日時点での成績から、それ以前の試合結果を元に成績及び最低・最高勝率を算出)
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