下流老人とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > ビジネス > 新語時事用語辞典 > 下流老人の意味・解説 

下流老人

読み方:かりゅうろうじん

経済的な余裕がなく、貧困生活を送る高齢者のこと。

下流老人は、特定非営利活動法人ほっとプラス代表・藤田孝典による造語で、著書『下流老人 一億老後崩壊衝撃』の中では「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義している。

下流老人の定義とされる生活保護基準相当とは国の定め最低生活費のことである。下流老人は、最低生活費同等、あるいは、それ以下生活している高齢者ともいえる。

なお、「下流老人」の語は2015年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にも挙げられている。

関連サイト
特定非営利活動法人ほっとプラス


かりゅう‐ろうじん〔カリウラウジン〕【下流老人】

読み方:かりゅうろうじん

俗に生活保護対象となる低い所得消費水準で暮らす高齢者生活困窮者支援取り組む社会福祉士藤田孝典による造語


下流老人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/03 02:32 UTC 版)

下流老人 -一億総老後崩壊の衝撃-
著者 藤田孝典
発行日 2015年6月12日
発行元 朝日新聞出版
ジャンル 社会学
日本
言語 日本語
形態 新書
ページ数 224
コード ISBN 978-4-02-273620-8
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

下流老人(かりゅうろうじん)とは、社会運動家藤田孝典による造語。および2015年の藤田の著書の題名[1]高齢者の逼迫した生活をめぐる問題を捉えた言葉。

定義

藤田の定義によれば、下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」のことである[1][2]。2015年現在、下流老人は日本国内に推定600万〜700万人いるとされる[3]

特徴

下流老人かどうかを判断する指標として、以下の3つが挙げられる[4]

  1. (高齢期の)収入が著しく少ない
  2. 十分な貯蓄がない
  3. 周囲に頼れる人間がいない(社会的孤立)

下流老人は、これらのセーフティネットを失った状態(「3ない状態」)にあり、自力では健康で文化的な生活を営むことが困難な状況にあると考えられる。

下流老人に陥る主なパターン

藤田は、現役時代に一般的な水準の年収を得ていた者でも、以下の出来事が原因になり、下流老人に陥る危険性があると指摘している[5]

また、現在は若年期、青年期の者であっても、労働賃金の低下、年金受給額の減少、非正規雇用者の増加、未婚率の増加などによって、将来、下流老人化するリスクが高いとする。

社会的影響

藤田は、下流老人は当事者だけでなく、全世代の国民にかかわる社会問題であるとしている。これを放置すれば、経済的負担の大きさから親と子の2世代が共倒れとなり、高齢者の尊厳が失われ、将来の不安から現役世代の消費が抑制されたり、少子化を加速させる要因にもなり得ると指摘している[6]

2015年東海道新幹線火災事件が起きた際には、これを「いわゆる「下流老人」による犯罪」と論評する例があった[7]

同年の新語・流行語大賞にノミネートされた[8]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 藤田孝典 (2015年5月11日). “増え続ける「下流老人」とは!? -年収400万円サラリーマンも老後は下流化する!?-”. Yahpp! Japan ニュース. 2015年8月10日閲覧。 “日本には下流老人が大量に生まれ続けている。下流老人とは、わたしが作った造語であり、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義している(藤田孝典『下流老人ー一億総老後崩壊の衝撃ー』朝日新聞出版 2015)。”
  2. ^ 藤田孝典『下流老人』朝日新書、2015、P5
  3. ^ 藤田孝典『下流老人』朝日新書、2015、P6
  4. ^ 藤田孝典『下流老人』朝日新書、2015、P23-35
  5. ^ 藤田孝典『下流老人』朝日新書 2015,P77-121
  6. ^ 藤田孝典『下流老人』朝日新書 2015,P36-44
  7. ^ みわよしこ (2015年7月17日). “下流老人の新幹線焼身自殺は、生活保護で防げたか”. 2015年8月10日閲覧。
  8. ^ ユーキャン新語・流行語大賞全受賞記録”. 2015年11月28日閲覧。

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「下流老人」の関連用語

下流老人のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



下流老人のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2025 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの下流老人 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS