三重らせんを安定化する因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 06:06 UTC 版)
「三重らせん」の記事における「三重らせんを安定化する因子」の解説
コラーゲン三重らせんには、その安定性を増す特徴がいくつか存在する。Gly-X-Y配列のYの位置にプロリンが組み込まれると、翻訳後修飾によってヒドロキシプロリンへと変換される。三重らせん構造の中でY残基は溶媒露出部位に位置するため、ヒドロキシプロリンが水と有利な相互作用をすることで三重らせんは安定化される。また、個々のヘリックスは鎖間で形成されるアミド-アミド水素結合のネットワークによって保持されており、各水素結合は三重らせん全体の自由エネルギーに約-2 kcal/molの寄与をする。超らせんの形成は、重要なグリシン残基をらせん内部で保護するだけでなく、タンパク質全体を分解から保護している。 DNAやRNAの三重鎖の安定化に利用される力は、多くがDNA二重らせんの安定化に利用される力と同じである。核酸塩基がらせんの内側、軸に近い方向を向くことで、他の塩基と水素結合を形成する。中心部で結合した塩基は水を排除するため、疎水効果がDNA三重鎖の安定化に特に重要な役割を果たす。
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