三次構造の決定因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 02:54 UTC 版)
球状タンパク質では、三次的相互作用はしばしばタンパク質のコアに含まれる疎水性アミノ酸残基を覆い隠すことによって安定化される。タンパク質のコアでは水が排除され、水に露出したタンパク質の表面には親水性の残基や荷電性の残基が集まる。細胞質で時間を費やさなかった分泌タンパク質においては、システイン残基間のジスルフィド結合がタンパク質の三次構造の保持を助ける。さまざまな共通の安定構造が多くの機能上及び進化上関係の無いタンパク質に見られる。例えば、多くのタンパク質がTIMバレル(トリオースリン酸イソメラーゼに由来する名称)に似た構造を取る。他の共通の特徴に、4本のαヘリックスで構成される高安定の二量体コイルドコイル構造がある。タンパク質は、SCOPやCATHに記載されているフォールディングの様態に従って分類される。 全てのポリペプチド鎖が明確な三次構造を持っているわけではない。一部のとりわけ短いタンパク質は、標準生理学的条件において無秩序であったりランダムコイルと呼ばれる構造で存在したりする。また、無秩序領域は明確な構造を持つタンパク質にも見られ、特に末端部や、環境に応じて荷電可能な相対配向を持つドメイン同士を繋ぐループ領域やリンカー領域で起こる。
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