一般天文学での利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:01 UTC 版)
HabExの使用用途は系外惑星科学に限定されておらず、その観測テーマによってHabExによる系外惑星観測によるトップレベルの成果と同等の高い科学的なリターンが得られると判断された場合には、天体物理学や位置天文学にも用いられる。HabExによる一般天体物理分野の観測プログラムとしては現在様々な候補が調査されている。観測の範囲としては、光イオン化を起こした光子の脱出率測定による銀河間物質の再電離の研究や、銀河に出入りするバリオンの研究、星形成率や形成史の局所的環境条件や大質量星の影響を含めた恒星の種族の研究にまで及ぶ。さらに野心的とされる試みとして、近傍の矮小銀河の位置観測によるダークマターの性質の制限や、局所的なハッブル定数の測定なども挙げられている。 HabExの一般天体物理学分野の観測内容として提案された、現在可能とされている観測プログラムの一例は以下の通り。 研究分野観測内容観測波長局所的なハッブル定数 Ia型超新星のホスト銀河中のケフェイド変光星の撮影 可視-近赤外分光 銀河間物質の再電離 銀河の紫外線撮像による、Lyman continuum photons(英語版)の脱出率測定 紫外線、可能であればライマン端の91 nmまで バリオンサイクル クエーサー背景の吸収線観測 撮像:115 nmまでの紫外線分光:91 nmまでの紫外線 大質量星とフィードバック 銀河系や近傍の銀河中の大質量星の紫外線~近赤外線での観測 撮像:110–1000 nm 分光: 120–160 nm Stellar_archaeology(英語版) 近傍銀河の個々の恒星を分解して測光観測 500–1000 nm ダークマター 局所銀河群に属する矮小銀河中の恒星の測光や位置測定による固有運動の観測 500–1000 nm
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