一次成長と二次成長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 06:41 UTC 版)
上記のように、根は頂端分裂組織 (apical meristem) である根端分裂組織における細胞分裂とそれに続く細胞の拡大伸長によって成長する。この成長は一次成長 (primary growth) とよばれ、基本的に長さを増す成長である。一方、一次成長がほぼ完了した部位において新たな分裂組織が生じることがあり、これによる成長は二次成長 (secondary growth) とよばれる。二次成長は基本的に太さを増す成長であり、これを司る分裂組織は側部分裂組織 (lateral meristem) である。側部分列組織には、維管束形成層やコルク形成層がある。 単子葉植物などを除き、多くの種子植物の根は二次成長を行う。一次木部と一次師部の間に (木部を取り囲むように) 維管束形成層 (vascular cambium) がつくられ、内側に二次木部を、外側に二次師部を形成していく。根はふつう放射中心柱をもつため、維管束形成層の横断面は最初は星状だが、二次成長によってやがて円形になる。木本植物の根では、茎と同様に二次木部は主に仮道管や道管要素、木部繊維など木化した細胞からなるが (右図5a, b)、サツマイモ (ヒルガオ科) などの根では多量の柔細胞が形成される。 茎の二次成長と同様、活発な二次成長によって直径が増すと、表皮、さらに皮層は裂けて剥がれることがある。この際には、皮層や内鞘などに1層の細胞からなる側部分裂組織であるコルク形成層 (phellogen) が形成される。コルク形成層は外側にコルク組織 (phellem)、内側にコルク皮層 (phelloderm) を形成し、これらは合わせて周皮 (periderm) とよばれる。コルク組織の細胞は原形質を欠き、細胞壁にスベリン、ときにリグニンが沈着して根の表面を保護している (右図5a, b)。
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