ヴォコーダーの誕生
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「シンセサイザー」の記事における「ヴォコーダーの誕生」の解説
詳細は「ヴォコーダー」を参照 1928年、ベル研究所のホーマー・ダッドリーは通信回線多重化のための音声符号化/同復調法の研究を行い、バンドパス・フィルター方式のヴォコーダーの実験を開始した。この技術は1935年特許出願され、1939年米国特許(US#2,151,091) が成立、同年開催のニューヨーク・ワールドフェアで一般公開された。また同技術を応用した鍵盤操作式スピーチシンセサイザー VODER (1938年米国特許(US#2,121,142)) も同時公開された。ただしこの時点では音楽的利用を図った形跡は見られない。そして戦争開始とともに軍事通信への利用が最優先になり、SIGSALY (1942)をはじめとする多くの軍事用音声暗号化システムが同技術を採用した。 なお同時期には軍事技術を民生転用して、音楽用ヴォコーダーとよく似た効果が得られる別の音楽用装置が誕生している。1939年アルヴィノ・レイが開発した Sonovox は、電子楽器というより1970年代のトーキング・モジュレーター (Talk box) を連想させる「任意の音を喋らせる」装置である。この装置は軍事用喉マイク を 喉スピーカに転用し、喉に当てて口を動かすと、あたかも効果音や楽器音が喋っているかのような効果が得られた。Sonovoxは1940年のケイ・カイザー楽団の映画や、アニメ映画の動物の声、ラジオ局のジングル等に使用されており、名称はともかくその効果と音は一般に広く認識されている。
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