ヴェルギナの太陽とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ヴェルギナの太陽の意味・解説 

ヴェルギナの太陽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/04 20:06 UTC 版)

1992年から1995年までの「マケドニア共和国」の旗

ヴェルギナの太陽(ヴェルギナのたいよう、: Vergina Sun)は、古代マケドニア王国の象徴である太陽の紋章である。旧マケドニア(現北マケドニア)の国旗にも描かれていた。

名称

英語ではVergina Sunギリシャ語では Ήλιος της Βεργίνας、日本ではヴェルギナの太陽またはヴェルギナの星と呼ぶ。また、マケドニアの星またはアルゲイドの星としても知られている。

概要

ヴェルギナの太陽が意匠として施されている黄金のラルナクス。古代ギリシア

紀元前6世紀から2世紀の間に古代ギリシャの芸術に最初に現れた光線状の太陽のシンボルである。同じ期間の同等のシンボルは様々な16、12、8、まれに6つの光線を持っており、その何本かの光線の間に、16ほどのの三角形の光線を放つ。

「ヴェルギナの太陽」という名前は、1970年代後半にギリシャ北部の小さな町ヴェルギナ(マケドニアの旧都)とその周辺で行われた考古学的な発掘調査の後に広く使われるようになった物である。紀元前4世紀のマケドニアのまたはピリッポス3世墓で発見された金色のラルナクスに描かれていたものであり、この2人はアレクサンドロス大王の父と異母兄弟である。

古代マケドニア王国の歴史的な王家のシンボルとして暫定的に解釈されていた(古代ギリシャ美術の一般的な装飾要素ではなく)ヴェルギナの太陽は、1980年代からマケドニアのギリシャ人の間でシンボルとして一般的に使用されるようになり、1990年代にはマケドニアのギリシャ地域の3つの地域単位と自治体の公式エンブレムとして一般的に使用されるようになった。

しかし、ヴェルギナ太陽というシンボルは、1990年代前半にギリシャと新しくユーゴスラビアから1991年に独立したマケドニア共和国(現在の北マケドニア)との間で論争の対象となった。マケドニアでは、この紋章はマケドニアのナショナリズムのシンボルとして採用され、国旗にも描かれたものであったが、ギリシャ側はマケドニア王国の子孫は我々ギリシャ人であって現代のスラブ系マケドニア人ではない、と主張した。結局、1995年にマケドニアは国旗の形状を変更することに同意、ヴェルギナの太陽が意匠された旧国旗は、別の光線状の太陽のシンボルに修正された。

2018年6月17日、両国は北マケドニアの公共の場からヴェルギナの太陽を撤去することを定めたプレスパ協定に署名した。最終的に2019年7月初旬、北マケドニア政府は、考古学的遺跡を除く国内のすべての公共の場、機関、記念碑からこのシンボルを完全に撤去することを発表した。


ヴェルギナの太陽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 16:23 UTC 版)

ヴェルギナ」の記事における「ヴェルギナの太陽」の解説

ピリッポス2世の骨を納めた納骨箱であるとアンドロニコスが断定した黄金の箱には光線有した星の模様描かれていた。この模様はヴェルギナの太陽と呼ばれ古代マケドニア象徴とされるようになった1991年ユーゴスラビアからマケドニア共和国独立した際、国旗にこのヴェルギナの太陽を使用したため、ギリシャ反発し国際問題となった。「マケドニア」という名称もさることながらギリシャではピリッポス2世墓が発見され以来、それを記念してヴェルギナの太陽のデザイン新聞銀行公共施設硬貨など多くの場所や物でエンブレムとして利用しており、一般市民連帯してこの問題抗議した1995年マケドニア国旗形状変更することに同意した

※この「ヴェルギナの太陽」の解説は、「ヴェルギナ」の解説の一部です。
「ヴェルギナの太陽」を含む「ヴェルギナ」の記事については、「ヴェルギナ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ヴェルギナの太陽」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヴェルギナの太陽」の関連用語

ヴェルギナの太陽のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヴェルギナの太陽のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヴェルギナの太陽 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのヴェルギナ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS