ワイヤー・スポークの配置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 10:00 UTC 版)
「スポーク」の記事における「ワイヤー・スポークの配置」の解説
ワイヤースポークは単独では曲げや圧縮に対してはほとんど抵抗力が無いため、車輪に加わる縦・横・斜めのあらゆる力を張力に変換して受けられるよう、その配置には工夫が凝らされている。 おちょこ 一般的なワイヤースポークホイールでは、リム内周に並ぶスポークを交互に左右に振り分け、ハブの両側にある程度間隔をあけて並ぶフランジに接続する。これによって隣接する左右のスポークは、リムを頂点とし、ハブの左右フランジを結ぶ線を底辺とする三角形を構成し、一種のトラスとなる。これが全周にわたって配置されることで、ワイヤースポークホイールは横方向、斜め方向の荷重に対して抵抗力を得る。 上記の三角形が車軸を中心に描く回転体(回転面)は、二枚の盃を向かい合わせに張り合わせたような形となる。これを盃の一種である猪口に例えて「おちょこ」と表現し、車輪の中心面から各フランジまでの、もしくは左右スポークのリム側中間線と左右フランジの中間線とのオフセットの大きさを「おちょこ量」と呼ぶ。 ラジアル組みとタンジェント組み ハブへ正に放射状にスポークが接続する形式をラジアル組みと呼ぶ。最初に実用化されたワイヤースポークホイールはこの形式であった。スポークの長さが最短となるため重量は軽くなるが、トルクを受けた際のスポークへの負担が重くなるため、駆動輪や、ハブ側にブレーキ装置を持つ車輪には使われなくなった。リム側にブレーキ装置を持つか、ブレーキ装置を持たない競技用自転車の前輪のほか、乳母車などの軽荷重用車輪などに残っている。 ハブへ接線状にスポークが接続する形式をタンジェント組みと呼ぶ。トルクの伝達を無理なくおこなえるほか、荷重の分散に優れており、耐久性、衝撃吸収性が高い。一般的に広く用いられており、多くのバリエーションが存在する。 両者を組み合わせた特殊な形式の製品も存在する(例:カンパニョーロのG3スポーク)。
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