レンズの種類と効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/22 08:00 UTC 版)
レンズの種類はその画角を表している。 超広角レンズ、または魚眼レンズ - 最大180°の画角(それよりさらに広いものもある) 広角レンズ - 一般に 100°から60° 標準レンズ - 一般に 50°から 25° 望遠レンズ - 一般に 15°から 10° 超望遠レンズ - 一般に 8°から 1° ズームレンズはレンズを交換することなく焦点距離や画角を機械的に変化させることができる。 望遠レンズは対象を拡大し、遠くのものを写すが、被写界深度が浅いため、ピントの合う範囲が狭い。逆に、広角レンズは被写体との距離を拡大して写す傾向があり、被写界深度が深いためピントの合う範囲が広い(パンフォーカス撮影に適する。)。 また、広角レンズでは、被写体と正対していない場合に遠近法的な歪みが生じ易い。たとえば、建物を広角レンズで見上げるようにして撮影すると、建物が上にいくほど先細りになって写る。一方、標準レンズを使って同条件で撮影した場合、画角が狭いために画面に入る範囲が狭く、遠近法的な歪みが広角レンズほど生じない。 レンズが違えば、被写体を同じ大きさで撮影するには、被写体との距離を変えなければならないため、画角を変更することが間接的に遠近法的歪みも変化させ、被写体とその前景にあるものとの大きさの比も変化させる。 レンズによる画角の違いの実例。以下の写真は 35mm カメラで一定の位置から撮られたもの。28 mm レンズ 50 mm レンズ 70 mm レンズ 210 mm レンズ 画角(angle of view )を angle of coverage と混同している場合が多く見受けられるが、後者の用語はレンズから焦点面に投影する際の角度を意味する。これはビューカメラでの写真技術的にしか意味のない用語である。ビューカメラではレンズの映像が円形であるため、フィルムの寸法よりも大きな円として投影されなければならない。レンズとフィルムの距離が固定されているカメラでは、レンズから投影される像が撮像面とずれることはなく、常に全面に像が投影される。従って、angle of coverage を気にする必要はない。 円形の像を撮影する魚眼レンズは、angle of coverage が通常よりも狭くなっている例である。円形フレームの魚眼レンズの画角はフルフレーム撮影の魚眼レンズとほとんど同じ程度だが、フィルムに投影される像の角度が狭いため、円形の像となり、フィルム全体は使用しない。
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