レトロマーを介した逆行性輸送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 05:26 UTC 版)
「レトロマー」の記事における「レトロマーを介した逆行性輸送」の解説
エンドソーム膜の積み荷分子の細胞質ドメインへのVps35-Vps29-Vps26複合体の結合によって、積み荷分子の捕捉と逆行性輸送は開始される。Vps複合体とGTP結合型Rab7(英語版)、クラスリン、クラスリンアダプタータンパク質(英語版)やさまざまな結合タンパク質との相互作用によって、核形成複合体(nucleation complex)が形成される。 SNX-BAR二量体は、直接的な結合またはエンドソーム表面上の移動によって核形成複合体に入る。SNX-BARの増加は湾曲誘導モードへのコンフォメーションの切り替えを引き起こし、膜細管の形成が開始される。積み荷の輸送を担うキャリアの成熟が完了すると、アクチンの重合やモーター活性によって生じる機械的な力とともに、ダイナミン2(英語版)またはEHD1(英語版)によってキャリアの膜からの切除が触媒される。 積み荷を輸送するキャリアは、ダイニンなどのモータータンパク質によってトランスゴルジ網へ輸送される。受容区画へキャリアが固定されると、ATPの加水分解やRab7に結合したGTPの加水分解によって、キャリアの脱外被が駆動される。VPS複合体とSNX-BAR二量体はキャリアから放出されると、エンドソーム膜へリサイクルされる。
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