ルーヴル・ヴァージョン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 23:24 UTC 版)
「岩窟の聖母」の記事における「ルーヴル・ヴァージョン」の解説
ルーヴル美術館が所蔵する『岩窟の聖母』は、多くの美術史家からロンドン・ヴァージョンよりも先に描かれた初期ヴァージョンだと考えられており、レオナルドが一人で1483年から1486年ごろにかけて描き上げたといわれている。ルーヴル・ヴァージョンの大きさはロンドン・ヴァージョンよりも 8 cm ほど縦に長い。ルーヴル・ヴァージョンに関する最初期の確実な記録は1625年で、フランスの王室コレクションに収められているというものである。ルーヴル・ヴァージョンは1483年にミラノで制作依頼を受けて描かれた。しかしながら、何らかの理由でレオナルドはこのルーヴル・ヴァージョンを密かに別人に売却し、後にロンドン・ヴァージョンを描きなおしてミラノへと引き渡したと考えられている。内容が酷似した作品が、なぜ2点制作されたのについてはさまざまな説が存在している。また、このルーヴル・ヴァージョンは、レオナルドが創始した、あるいは完成したといわれるスフマートという技法を完璧に例示している作品であるといわれている。
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