ルーの槍との符合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 07:55 UTC 版)
『ダ・デルガの館の崩壊』には明言されないものの、ケルトハルのルーンは、具体的なには長腕のルーの槍であると解き明かされている。 ルーが持つ槍とていくつかあるが、ルーが賠償として得た槍は、近世の物語『トゥレンの子らの最期』では、「殺戮者」と呼ばれ、水を張った窯につけておかないと都市を燃焼させるという、ルーンに酷似した性質であるので、これと同一考察される。 だがマグ・トゥレドの遺物といういことや、性質の類似性だけで同一視するのではなく、れっきとした根拠もあることは、W・M・ヘネシー(英語版)が、15–16世紀の書物『トリニティ・カレッジ (ダブリン大学)所蔵H 3.17写本(現1336写本)』の第723欄にある一節を紹介したことであきらかになった。一節のくだりによれば、 「トゥアハ・デ・ダナーンの長のひとりルー・マク・エスリンの槍は〈森の名だたるイチイの樹〉として知られ..、コンホヴァル・マク・ネサの時代は〈ケルトハルのルーン〉、また、コルマク・マク・アルトの時代は、〈毒槍のクリヴァルと呼ばれていた。(以下略)」 ブラウンの論文は、ルーンが登場する典拠に詳しいが、その主論は、アーサー伝説の聖杯・血槍・剣の原点がアイルランドの神々の四秘宝であるというものであり、ルーンを長腕のルーの槍ばかりか、鍛冶師ゴヴニウの槍ネスとも同一視する。
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