リンゴ酸濃度の測定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:03 UTC 版)
「マロラクティック発酵」の記事における「リンゴ酸濃度の測定」の解説
マロラクティック発酵の進み具合は、ペーパークロマトグラフィーないしは分光光度計を用いることで判断できる。ペーパークロマトグラフィー法は、キャピラリーにより少量のワインをサンプルとして濾紙に落とすことで行う。この濾紙をブロモクレゾールグリーンという発色試薬を含むブタノール溶液で満たした容器に入れて数時間待ち、取り出し後乾燥させると、黄色いスポット(斑点)が現れる。その基準線からの距離から様々な酸が同定できる。酒石酸が最も基準線に近く、次いでクエン酸、リンゴ酸という順に並び、乳酸は最も遠い濾紙の端に近い位置にくる。 ペーパークロマトグラフィー法の重要な限界としては、、ワイン中に残存するリンゴ酸の量までは測定できないということである。スポットの大きさも試料中の量とは相関が無い。加えて、検出感度も問題になることがある。ペーパークロマトグラフィー法の検出しきい値は100~200mg/Lであるが、マロラクティック発酵に対する安定性を論じる際のターゲットとなる濃度は30mg/L以下であり、より低い。 酵素を用いた手法はリンゴ酸・乳酸の両方に対し定量的な分析が可能であるが、高価な試薬と334nm、340nm、365nmの吸収測定が可能な分光光度計が必要である。
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