リブレットとギリシア悲劇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 09:15 UTC 版)
「トーリードのイフィジェニー」の記事における「リブレットとギリシア悲劇」の解説
本作は「グルック自身の『オーリードのイフィジェニー』(1774年)の後日譚とも言える作品で、父アガメムノンが大軍を率いてトロイに出征する際、父の失策の償いのためイフィジェニーは生贄にされ、祭壇で死ぬ羽目になった。その時、女神ディアヌが罪なき少女イフィジェニーの犠牲を哀れみ、トーリードの地に運んだ」、そして、イフィジェニーは巫女になったというところから始まっている。ギリシア神話とリブレットの筋で最も大きな相違は本作では終幕の幕切れで、ディアヌが降臨し、あっさりイフィジェニーたちを帰国させてしまう。しかし、「エウリピデスの作では、一波乱あり、イフィジェニーがトアス王を欺き、オレストらと脱出を試みる。彼女は王に犠牲に捧げようとした2人の異国人が共に母親殺しの大罪を犯していたことが分かったため、神像もろとも血の穢れを海の水で払う儀式をしなければ、スキタイの町も危ういと説得、全ての人々を遠ざけさせ、秘儀を行うと見せかけて、船で逃れようとする。手に汗握る脱出劇が不審を抱いた王の追手により、今や危うしという段になり、天上からアテナ女神の声がして、一同の帰国が許される」という筋立てになっている。
※この「リブレットとギリシア悲劇」の解説は、「トーリードのイフィジェニー」の解説の一部です。
「リブレットとギリシア悲劇」を含む「トーリードのイフィジェニー」の記事については、「トーリードのイフィジェニー」の概要を参照ください。
- リブレットとギリシア悲劇のページへのリンク