リップシュタット戦勝記念式典の悲劇
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「銀河英雄伝説の戦役」の記事における「リップシュタット戦勝記念式典の悲劇」の解説
帝国暦488年9月9日、ガイエスブルク要塞で発生したテロ事件。 この日に至るまでに、ヴェスターラント虐殺の黙認を巡ってラインハルトとキルヒアイスの間にすれ違いが生じ、双方の精神的関係が変化する程の感情的対立を引き起こした。これに加えて、オーベルシュタインがキルヒアイスへの特別扱いを止めるように進言していた事もあって、以前はキルヒアイスのみ許されていた銃器の携行が認められず、キルヒアイスは丸腰で式典会場に入った。 捕虜となった高級士官の引見が始まり、ファーレンハイトがラインハルト陣営への帰順を表明して提督の列に加わった後、アンスバッハが服毒死したブラウンシュヴァイク公爵の死体と供に入場してきた。提督達は最初嘲笑をもって迎えたが、その死体にはハンド・キャノンが仕込まれており、アンスバッハはそれを取り出してラインハルトを狙った。だが一瞬早くキルヒアイスが飛び掛り、狙点が狂ったハンド・キャノンはラインハルト後方の壁を爆砕した。OVA版では、更にオーベルシュタインがラインハルトの前に立ちはだかり、盾となった様子が描かれている。 ラインハルトの謀殺に失敗したアンスバッハは、それでもキルヒアイスを振りほどこうとしてもがき、指輪に仕込んだレーザー銃でキルヒアイスの胸部と頸部を撃ち抜いたが、それでもキルヒアイスはアンスバッハを離そうとせず、他の提督が二人を引き離すまでその状態が続いた。 アンスバッハは自らの失敗を笑いながら歯に仕込んだ毒で自殺し、提督達は後処理に奔走するが、ラインハルトはそれらの一切が耳目に届かない精神状態となり、半ば無意識の様子でキルヒアイスに近づいた。既に視力が失われる状態になりながらも、キルヒアイスは「宇宙を手にお入れ下さい」という、その後のラインハルトにとって神聖不可侵となる誓約の言葉と、アンネローゼへの謝罪の言葉を告げ、そのまま息を引き取った。
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