リアエンジン方式への回帰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 01:44 UTC 版)
「タトラ (自動車)」の記事における「リアエンジン方式への回帰」の解説
初期の自動車(1890年代以前)は、技術の未発達により、駆動輪である後輪に極力近い位置にエンジンを置いて駆動を行うリアエンジンが普通であった。しかし、1891年のパナール・ルヴァッソールがフロントエンジン・リアドライブ(以下「FR駆動」)を採用し、リアエンジンより高い走行安定性を得たことで、以後の自動車はFR駆動が標準化した。 固定軸式のFR駆動車が成熟期に入った1920年代、再びリアエンジンに注目する動きが起きた。 FR駆動方式の場合、プロペラシャフトと後輪の固定駆動軸による重量増加は50-100kgにも及び、自動車全体の重量の中でも無視できない。長い駆動系統は振動や騒音の原因になる。またシャーシを低床化しても車内床面の中央にプロペラシャフトの盛り上がりが生じ、足下のスペースを圧迫する。 これを改善するには、フロントのエンジンから前輪を駆動するか、リアに置いたエンジンから後輪を駆動するかの2つの方法がある。 しかし、前輪を駆動するには車輪に舵角が生じた状態でも滑らかに駆動力を伝えられる「等速ジョイント」が必要で、1920年代から1950年代には十分な耐久性のあるスムーズな等速ジョイントを作れなかった(当時のフロントドライブ車は何れもジョイントの耐久性不足に悩まされた)。 一方、リアエンジンの場合は、1920年代の時点ですでに近代的なシステムが導入されていた。変速機と差動装置を一体としたトランスアクスルから、ハーフシャフトによるジョイントレス・スイングアクスルを使って後輪を駆動する手法である。
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