ユーロへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/29 05:50 UTC 版)
「アイルランド・ポンド」の記事における「ユーロへの移行」の解説
1998年12月31日、アイルランド・ポンドや欧州通貨制度対象の10の通貨(ポンド・スターリングとデンマーク・クローネを除く)と欧州通貨単位との為替レートが固定され、1ユーロ = 0.787564アイルランド・ポンドとされた。この翌日に銀行間決済などでユーロが導入され、このとき1UKポンド = 1.42210ユーロ、1UKポンド = 1.12アイルランド・ポンドとされた。2002年1月1日にユーロ紙幣・硬貨が導入され、このとき1UKポンド = 1.287アイルランド・ポンドとされた。 1999年1月1日にユーロがアイルランドを含むユーロ圏諸国の通貨となったが、紙幣・硬貨のユーロへの切り替えは2002年1月1日であり、それまではアイルランド・ポンドの硬貨・紙幣は法的効力を有したままとされ、ほかのユーロ圏諸国も従来の通貨の硬貨・紙幣の法的効力について同様の対応をしていた。アイルランド・ポンド硬貨と紙幣の法的効力が停止されたのは2002年2月9日であったが、中央銀行ではポンド硬貨・紙幣とユーロ硬貨・紙幣との交換を無期限に受け付けている。 2001年12月31日の時点でアイルランドの紙幣流通総額は43億4380万ユーロ、硬貨流通総額は3億8790万ユーロであった。アイルランドでの現金の切り替えはユーロ圏内でも最も迅速に行われたほうであったが、一部の商店では法的効力が停止される1、2週間前からポンド硬貨・紙幣の受け取りを拒否していたところがあった。また1ユーロ = 0.787564ポンドというレートとされていたことにより、ユーロ紙幣・硬貨の導入の2週間以内でアイルランドの紙幣の56%が市中から引き上げられ、また法的効力が停止されるまでにその数値は83.4%に達していた。 一方で硬貨の回収は紙幣よりも遅く、優先度が低いこともあって、2002年2月9日までに引き上げられた硬貨は45%にとどまった。この数値は、市中に流通していた硬貨はほぼすべて回収されているが、一方で記念にとっておこうというものやそのまま残されているもの、家庭内でなくしたというものが表れたものである。 アイルランド自由国以降に発行されたアイルランドの硬貨・紙幣は十進法化以前・以後を問わず、すべてダブリンの中央銀行においてユーロと交換することができる。
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