ユーフォニアムとテナーチューバ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 10:04 UTC 版)
「ユーフォニアム」の記事における「ユーフォニアムとテナーチューバ」の解説
オーケストラのスコアに、テナーチューバのパートが設けられていることがある。これは作曲者がユーフォニアム、ドイツ式のバリトン、B♭管のワグナーチューバなどを想定して設けるパートであり、作曲者がどの楽器を想定してこのパートを設けたかは、記譜や他楽器からの持ち替え指定、作曲年代、曲想などにより判断されている。ただし、チューバ属全般にいえることであるが、実演では作曲者が想定した通りの楽器が使用されるとは限らない。 現在、ユーフォニアムやドイツ式のバリトンで演奏される楽曲に、リヒャルト・シュトラウスの『英雄の生涯』、『ドン・キホーテ』、ホルストの『惑星』、ヤナーチェクの『シンフォニエッタ』などがある。 ラヴェル編曲の『展覧会の絵』(原曲はムソルグスキー作曲のピアノ曲)にはチューバのパートが設けられているが、当時のチューバはユーフォニアムに近いフランス式の楽器(フレンチ・チューバ)であったとして、高音域が続く「ビドロ」のソロのみ、しばしばユーフォニアムで演奏される。 日本においてはピストン式のバルブを持つ楽器を「ユーフォニアム」、ロータリー式を「テナーチューバ」と区別する場合がある。しかしその結果、「テナーチューバ」はパート名であるにもかかわらず、オーケストラで使用される「楽器」であるという誤解が生じる原因となっている。 オーケストラにおいては、前述のような「テナーチューバ」のパートのほか、マーラーの交響曲第7番では「テノールホルン」の指定があり、ショスタコーヴィチのバレエ音楽「黄金時代」は「バリトン」の指定、レスピーギの「ローマの松」では「フリコルノ・バッソ」の指定がされている。
※この「ユーフォニアムとテナーチューバ」の解説は、「ユーフォニアム」の解説の一部です。
「ユーフォニアムとテナーチューバ」を含む「ユーフォニアム」の記事については、「ユーフォニアム」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書からユーフォニアムとテナーチューバを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からユーフォニアムとテナーチューバ を検索
- ユーフォニアムとテナーチューバのページへのリンク