メトリオリンクス科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 06:04 UTC 版)
「タラットスクス亜目」の記事における「メトリオリンクス科」の解説
メトリオリンクス科はジュラ紀中期(バジョーシアン)から白亜紀前期(ヴァランジニアン)にかけて生息した。前足は縮小して鰭状になり、皮骨板は退化した。水中生活のため体は大型化し、サメの尾びれを逆さまにしたような逆異尾型の尾びれを持っていた。メトリオリンクス科は外洋での水中生活に完全に適応した主竜形類唯一のグループである(ただし水鳥を除く) 。手足を鰭状に変化させ、尾びれを発達させ、流線型の体型で水中生活に適応していった進化のパターンは同時代の魚竜や後代のモササウルス科と共通しており、一種の収斂現象と見なすことができる。 メトリオリンクス科はオーストリアの動物学者Leopold Fitzingerによって1843年に提唱された。メトリオリンクス科はメトリオリンクス亜科とゲオサウルス亜科に分けられる。メトリオリンクス亜科の頭骨は細長く華奢であることから、メトリオリンクス亜科は魚類や頭足類などの小動物を中心に捕食していたと考えられる。一方、ゲオサウルス亜科の頭骨は頑丈で前後に短く、歯には鋸歯が発達することから、ゲオサウルス亜科は大型の脊椎動物を捕食していたと考えられる。メトリオリンクス科の化石は南アメリカ(アルゼンチン、チリ)と北アメリカ(メキシコ)、ヨーロッパ各地(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、ロシア、スイス)から見つかっている。
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