メタファーからアナロジーへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 19:24 UTC 版)
「新国誠一」の記事における「メタファーからアナロジーへの移行」の解説
しかし日本が第二次世界大戦の敗戦を迎えたことで価値観の転倒がおこり、言葉の意味や詩におけるメタファー(隠喩)に疑問を持つようになった。とくに、西脇順三郎の『超現実主義詩論』を読み、「詩はメタファーである」という考えに限界や虚しさを見出した。そして「言葉を徹底的に裸にしてみようと考え」、言葉から意味を奪い「形象」と「音声」による詩の構築を試みた。しかし西脇や萩原のようなモダニズムからすぐに移行できたわけではなく、数年間の逡巡を経て徐々に視覚詩や音声詩へと移行していった。その移行によって新国はメタファーを否定したわけではなく、メタファーのようなモダニズムを受け入れて、その上で詩の本質をアナロジー(類推)に求めた。また新国は、「男女」「唇」などの性的な漢字や、官能性へのこだわりを強く持っており、それは「氷河」時代の作品からも見受けられる。
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