メソメリー効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/11 07:32 UTC 版)
詳細は「メソメリー効果」を参照 有機反応論においてカルボニル化合物などに存在すると想定された分極を生じる機構を、クリストファー・ケルク・インゴルドはメソメリー効果(M効果、mesomeric effect)と呼んだ。すなわち、カルボニルの二重結合が立ち上がり、カルボニル炭素が正にカルボニル酸素が負に分極する機構の呼称である。なお、共役カルボニル系化合物などでメソメリー効果というべきところを、有機反応論の後に発展した量子化学分野の原子価結合法の概念である「共鳴効果」と呼称することがあるが、有機反応論には「共鳴」の概念は無く正しい用語の使用方法ではない。一方インゴルドのメソメリー効果に先立って、ロビンソンは互変異性の機構に類似した電子対の移動で分極が転移する機構を示唆しており、その機構をエレクトロメトリーあるいは及ぼす効果に対してエレクトロメトリー効果(E効果)という呼称を与えている。 誘起効果はβ位、すなわち共有結合した原子で2つ以上を介した場合はほとんどその影響がなくなるのに対して、共役した二重結合系のメソメリー効果はより広い間隔があっても効果の作用を現す。メソメリー効果の例としてアニリンとp-トルイジンの塩基性の違いが挙げられる。p-位に置換したメチル基からの電子供与性を示し、それがM効果により、窒素原子上の電子密度を増やし塩基性が増大したと説明することができる。
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