メカニズムと成因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 05:51 UTC 版)
空気が過飽和(湿度100%以上)になると、その空気に含まれる水蒸気は凝結して雲(霧)になり始め、過飽和度(100%を超えた分の湿度)が高くなるにつれてその中の水滴の密度が高くなってくる。 日常生活の中で水が0℃を下回るとすぐ凍結するのとは違い、霧ができた状態で何らかの原因によってこの空気が冷やされて0℃以下(氷点下)になると、霧の水滴は過冷却の状態になる。これは水滴が非常に微小な球形をしているためである。 水が凍結するためには、結晶化が安定して進む必要がある。そのためには、水分子が微小スケールで集まるための、核となる物質や衝撃などが必要になる。地球上の多くの大気中には、この核となる物質(凍結核)が少ない。また、衝撃の要因も少ない。 よって、気温0℃から約-42℃の範囲では、着氷性の霧が存在する。少ないといっても凍結核は存在しているため、-15℃くらいで、凍結核によって凍結する水滴が現れ始める。-32℃くらいで、凍結核無しでも自ら凍結する水滴が現れ始める。-42℃はほぼ全ての水滴が凍結する温度である。 霧の中で数滴が凍結すると、周りの水滴が蒸発・昇華して成長するライミング(riming)が起こり、凍結が進んでいく。気温が低くなるほど凍結する水滴が増え、ライミングの速度も増す。ただ、凍結が始まる15℃以下の温度でも、短時間であれば着氷性の霧は存在する。
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