ミッキー・トーマスとは? わかりやすく解説

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ミッキー・トーマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/06 09:47 UTC 版)

ミッキー・トーマス
Mickey Thomas
ミッキー・トーマス(1977年)
基本情報
出生名 ジョン・マイケル・トーマス
(John Michael Thomas)
生誕 (1949-12-03) 1949年12月3日(75歳)
出身地 アメリカ合衆国
ジャンル ロックブルースロック
ポップ・ロック
担当楽器
活動期間 1970年 - 現在
共同作業者 ジェファーソン・スターシップ
スターシップ

ミッキー・トーマス (Mickey Thomas1949年12月3日 - )は、アメリカ合衆国ロック歌手ブルーズ歌手。ジェファーソン・スターシップスターシップのリード・ボーカリストとして知られている。

経歴

生い立ちと初期の音楽活動

ジョージア州カイロ生まれ。1965年に子供の時から長く友人であったチャールズ・コーネルとトミー・ヴェランと一緒にビートルズの公演を見に行こうとアトランタに旅行したことが、音楽の道に進むきっかけとなった。その後、3人はバンドを結成し、ヴェランがリード・ボーカルを担当した。彼等は別々の大学に進学したためバンドは解散したが、1970年代初期に友人のバド・トーマスをもう1人のメンバーに迎えて「ジェッツ」という名前で再結成された。

トーマスはジョージア州ダグラスで結成された「ローズ・オヴ・ロンドン (Lords of London)」というガレージ・バンドのボーカルを短期間務めたことがある。他のメンバーは、ビリー・フォルソム(ギター)、ボブ・ハッチンソン(ベース)、ビリー・コルビ(キーボード)、トロイ・ブラジンガム(ドラム)だった[1]

エルヴィン・ビショップ・グループ

トーマスはジェッツでリード・ボーカルを担当しながらも、1974年にはエルヴィン・ビショップ・グループにバック・コーラスの一員として加わり、やがてリード・ボーカルを担当することになった。同グループでの成果としては、「愛に狂って (Fooled Around and Fell in Love)」が1976年にシングル・チャートで第3位まで上昇したことが挙げられる。

ジェファーソン・スターシップ

1979年4月、マーティ・バリンとグレイス・スリックが脱退したジェファーソン・スターシップから加入をもちかけられた[2]

1985年。グレイス・スリック(左)と。

トーマスは1980年代前半の大部分をジェファーソン・スターシップのボーカルとして過ごすこととなった。1981年に再加入したスリックとのデュエットも相俟って彼の存在感は徐々に大きくなっていき、1984年にポール・カントナーが脱退するとリーダーになった。

1982年にエインズレー・ダンバー(ドラムス)が脱退し、2年後に元エルヴィン・ビショップ・グループのドニー・ボールドウィンが後任になった。

スターシップ及びスターシップ・フィーチャリング・ミッキー・トーマス

ジェファーソン・スターシップ改め「スターシップ」は、1985年から1989年までの間に3曲のナンバーワン・ヒットを収めた[注釈 1]。スリックが再度バンドを脱退した1988年からは、トーマスが全曲でリード・ボーカルを務めることになった。

しかしスターシップのポップス・バンドとしての幸運も長くは続かなかった。ツアーの途中、トーマスはバーでドラマーのボールドウィンから殴られ、顔面の整形手術が必要となる重傷を負った。ツアーはキャンセルされ、ボールドウィンは解雇された。

本来のメンバーによるスターシップは1991年に解散することになった。1992年、カントナーはジェファーソン・スターシップをトーマス抜きで再結成し、トーマスは名称「スターシップ・フィーチャリング・ミッキー・トーマス」の使用を認められた。彼は新しいバンドを結成して、「スターシップ・フィーチャリング・ミッキー・トーマス」をツアーの名前にして活動を続けた。

ソロ活動と共作の成果

トーマスは1976年にソロ・アルバム『愛は永遠に』、1981年に2作目『アライヴ・アローン』を録音した。

1986年の映画『栄光のエンブレム』(ロブ・ロウ主演作品でアイスホッケーを扱った映画)ではサウンドトラックとして「Stand in the Fire」が使用された。トーマスはまた、映画『カクテル』(1988年)で「Wild Again」という曲(スターシップ名義)を、映画『ロック・イン・ブルックリン (Sing)』(1989年)でタイトル曲「Sing」を録音している。さらに、1989年、映画『ドリーム・ドリーム (Dream a Little Dream)』に出演、またこの映画のサウンドトラックで、タイトル曲とそのデュエット版とを録音している。デュエット版ではメル・トーメと共に歌っている(このデュエット版は映画のエンド・ロールで演奏されている)。

1998年にはサミー・ヘイガーのアルバム『マーチング・トゥ・マーズ』に客演参加している。

2002年、トーマスは、ツアーバンドと共に自分がかつて吹き込んだジェファーソン・スターシップのヒット曲をすべて録音し直している。この再録音されたアルバムは2003年に発売されたが、バンド名の表記はなく、セントクレア・エンターテインメント・グループのシリーズ名が「Forever Gold」と記されていただけだった。

2004年にはトーマスはファブリツィオ・グロッシのプロデュースでアルバム・プロジェクトを立ち上げ、『オーヴァー・ジ・エッジ フィーチャリング・ミッキー・トーマス』という名前でアルバムを発売した。2008年、エインズレー・ダンバーと新しいアルバムで共演している。このアルバムにはオジー・オズボーン・バンドの前ギタリスト、ジェイク・E・リーが参加している。トーマスは2008年後半にエルヴィン・ビショップと再びグループを結成しスターシップの活動を停止している。

2010年11月、ミッキー・トーマスは、スターシップの新しいアルバムである『Loveless Fascination』が、2011年の夏の終わり、もしくは秋になってすぐの頃に発売されると自身のウェブサイトで発表した。このアルバムは結局2013年9月に発売された。2011年7月には、もともと他のアーティストが録音している曲のカヴァー曲集をソロ・プロジェクト「Marauder(略奪者)」として発売している[3]

ディスコグラフィ

ソロ・アルバム

  • 『愛は永遠に』 - As Long as You Love Me (1976年)
  • 『アライヴ・アローン』 - Alive Alone (1981年)
  • Forever Gold (2003年、St. Clair Entertainment)[4]
  • 『オーヴァー・ジ・エッジ フィーチャリング・ミッキー・トーマス』 - Over the Edge (2004年)
  • The Blues Masters Featuring Mickey Thomas (2010年)
  • Marauder (2011年)[3]

エルヴィン・ビショップ・グループ

  • 『レット・イット・フロー』 - Let It Flow (1974年)
  • 『ジューク・ジョイント・ジャンプ』 - Juke Joint Jump (1975年)
  • 『ストラッティン』 - Struttin' My Stuff (1975年)
  • 『ホームタウン・ボーイ』 - Hometown Boy Makes Good! (1976年)
  • 『エルヴィン・ビショップ・ライヴ』 - Raisin' Hell (1977年)

ジェファーソン・スターシップ

スターシップ

脚注

注釈

  1. ^ シスコはロック・シティ」(1985年)、「セーラ」(1986年)、「愛はとまらない」(1987年)。

出典

  1. ^ The Lords of London”. Southern Garage Bands (2008年). 2011年8月10日閲覧。
  2. ^ Tobler, John (1992). NME Rock 'N' Roll Years (1st ed.). London: Reed International Books Ltd. p. 325. CN 5585 
  3. ^ a b Information available at http://mickeythomas.com/starshipmusic.html
  4. ^ 2002 re-recordings of Jefferson Starship or Starship songs on which Mickey Thomas originally appeared. These recordings have been licensed to several labels, resulting in the release of Starship – Greatest Hits (Delta Records) and Starship – Greatest Hits (Brilliant Records). The original release of these recordings was as Starship – Greatest and Latest, available outside the U.S. only, and including both a CD and DVD.

関連項目

外部リンク




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