マルクス主義による定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 10:07 UTC 版)
「イデオロギー」の記事における「マルクス主義による定義」の解説
以下はイデオロギーの定義で代表的なものと考えられるマルクスの定義をあげる。 マルクス主義におけるイデオロギーとは、観念そのものではなく、生産様式などの社会的な下部構造との関係性においてとらえられる上部構造としての観念を意味している。マルクスは最初、ヘーゲルとその後継者たちによって示された観念の諸形態について、社会的な基盤から発しながらあたかも普遍的な正当性を持つかのようにふるまう、と批判したことからイデオロギーの階級性について論じるようになる。 マルクス=エンゲルス共著『ドイツ・イデオロギー』(1845年)においてはじめてイデオロギーという用語が登場し、階級社会におけるイデオロギーの党派性が分析された。すなわち、階級社会では特定の階級が利益を得るための特定のイデオロギーが優勢になり、上部構造と下部構造の相互作用が生じて、必然的に自らを正当化するというのである。マルクスはイデオロギーのこのような性質を虚偽意識としてのイデオロギーと呼び、階級的な利害に基づいて支配体制を強化するものであると考えた。 この分析に従えば、階級制度は必ずイデオロギーを伴うものであるから、イデオロギーを批判することは階級闘争の中で最も重要な活動である。 その一方で、旧ソ連には、軍隊にはイデオロギー担当将校、議会にはイデオロギー担当議員が配置されていた。
※この「マルクス主義による定義」の解説は、「イデオロギー」の解説の一部です。
「マルクス主義による定義」を含む「イデオロギー」の記事については、「イデオロギー」の概要を参照ください。
- マルクス主義による定義のページへのリンク