マステン・グレゴリー(アメリカ)
ミズリー州カンザスシティーの生まれ。厚いメガネや、クルマから離れたときの学校の先生ともみえる風貌にもかかわらず、レース初期には派手なクラッシュでメカニックたちをひやひやさせた。また、マシンにトラブルが生じてコントロール不能とわかると、クラッシュする前に飛び降りることで知られた。裕福な父親が早く世を去ったために、その遺産で次々とマシンを購入して、レースを走りはじめるようになった。買うのはアラードやジャガーCタイプなどの欧州車で、1954年、アルゼンチンのレースに優勝したばかりのフェラーリを入手して、欧州のレースに参加するようになった。F1の初レースは57年のモナコ、マシンはプライベート・チームのマセラティであったが、3位でフィニッシュ、人々を瞠目させた。だが、通算8シーズン走ったF1では、結局59年のポルトガルGPの2位(クーパー)が最高位だった。スポーツカーレースでは、61年のニュルブルクリンク1000km(バードケージ・マセラティ)と、65年のルマン(フェラーリ250LM)で優勝している。
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