マシンカーディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 02:58 UTC 版)
マシンカーディングには、ドラム式カード機と呼ばれている装置が使われる。大きさはさまざまで、小型机に乗るものから、部屋一杯を占めるサイズのものまである。羊毛工場で現在使われているカード機は、20年から50年前に使われていた機械とほとんど変わっていない。その時代から使われ続けているものもある。羊毛や、羊毛に似た毛(リャマ、アルパカ、ヤギなど)の場合、繊維はロールの上に供給される。小型のカード機には、2つのドラム、あるいはロールが付いている。供給された繊維を小さい方のドラムが掻き込み、もう一つのドラムに渡す。繊維がドラムからドラムに移るとき、繊維の方向が揃う。上の写真は小型ドラム式カード機である。 大型カード機の構造も、ほとんど変わらない。最も大きな違いは、ドラムの数が多く、より高品質の製品が得られることである。ドラムから離れた繊維は、バット(繊維方向が揃った綿の塊)あるいはシート状になり、重量ムラが無くなって均一になる。 小型ドラムのカード機を使う場合には、処理した繊維を全部ドラムに巻き取って、ドラムの円周の長さとなったバットを製品とすることも多い。大型ドラムのカード機を使う場合には、得られたバットを捻って非常に太い糸(ロービング roving)にして、それを引き伸ばして適度な太さ(普通は手首ぐらい)にする。 ローラグとロービング(または参照) は違うものである。ローラグは小さな繊維の塊なので、それを袋詰めしたものはロービングに似ているが、塊が不連続である。なお、日本では、本項の説明とは関係なく、太い糸をロービングと呼ぶことも多いので注意。 綿をカード機にかけると、繊維方向がムラ無く揃った平面状になる。
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