ホット・ジュピターがある系での地球型惑星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 04:34 UTC 版)
「ホット・ジュピター」の記事における「ホット・ジュピターがある系での地球型惑星」の解説
あるシミュレーションでは、木星サイズの惑星が原始惑星系円盤の内側領域 (主星から 5〜0.1 au) を移動しても、考えられていたほどには破壊的な現象は起きないことが示されている。円盤内のその領域にある、微惑星や原始惑星を含む固体物質の 60% 以上は外側に散乱され、巨大惑星が移動した余波として惑星形成円盤が再形成されることが可能になる。このシミュレーションでは、ホット・ジュピターが円盤の内側領域を通過して 0.1 au の位置で安定な軌道に落ち着いた後に、ハビタブルゾーンの中に最大で2地球質量の惑星が形成可能であることが示されている。この過程で惑星系内側の物質と凍結線より外側に起源を持つ物質との混合が発生するため、ホット・ジュピターが通過した後に形成される地球型惑星は特に水を豊富に含むことが示唆されている。2011年の研究では、ホット・ジュピターは内側に移動する最中に破壊された惑星になる可能性があることが指摘された。これは、主星から 0.2 au 以内に高温なスーパー・アースやホット・ネプチューンが多く存在することを説明出来る。 2015年には、WASP-47(英語版) の周りに2つの惑星が発見された。この恒星の周りでは過去にホット・ジュピターである WASP-47b が、さらに遠方の惑星である WASP-47c が発見されている。新しく発見された惑星の片方の WASP-47e はおそらくは大きな地球型惑星で、質量は地球の22倍未満、半径は地球の1.8倍であった。もう片方の WASP-47d は質量は地球の15.2倍と似ているが半径は地球の3.6倍と大きく、ほぼ確実にガス惑星だと考えられる。この2つの惑星はホット・ジュピターの軌道の両側に存在しており、地球型惑星と思われる WASP-47e がホット・ジュピターの軌道より内側を公転している。似たような軌道配置を持つ惑星系には、ケプラー30がある。
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