ベンチュリ計による流量の計測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 23:20 UTC 版)
「ベンチュリ」の記事における「ベンチュリ計による流量の計測」の解説
ベンチュリ管は流量の計測にも用いられる(ベンチュリ計)。流量の計測では絞る前の部分(図の点"1")と絞り部(図の点"2")の圧力を測定し、各断面の断面積が既知であるなら、連続の式とベルヌーイの定理から理論的に流量が求められる。 ここで、流体は非圧縮性で密度は ρ = 一定とし、定常流とする。絞る前の管の断面積・流速・圧力・水頭をそれぞれ A1 , v1 , p1 , z1 、絞り部の管の断面積・流速・圧力・水頭をそれぞれ A2 , v2 , p2 , z2 、流量をQ 、重力加速度をg とすると、ベルヌーイの定理より次の式が成り立つ。 p 1 ρ + v 1 2 2 + g z 1 = p 2 ρ + v 2 2 2 + g z 2 {\displaystyle {\frac {p_{1}}{\rho }}+{\frac {{v_{1}}^{2}}{2}}+gz_{1}={\frac {p_{2}}{\rho }}+{\frac {{v_{2}}^{2}}{2}}+gz_{2}} 連続の式より成り立つ Q = A 1 v 1 = A 2 v 2 ⇒ v 1 = Q A 1 , v 2 = Q A 2 {\displaystyle Q=A_{1}v_{1}=A_{2}v_{2}\quad \Rightarrow \quad v_{1}={\frac {Q}{A_{1}}},v_{2}={\frac {Q}{A_{2}}}} を代入し、また管路が水平とすればz1 = z2 であり、点1と点2での差圧を h = p 1 − p 2 ρ g {\displaystyle h={\frac {p_{1}-p_{2}}{\rho g}}} と置けば、理論的な流量Q は次のようになる。 Q = A 2 1 − ( A 2 / A 1 ) 2 2 g h {\displaystyle Q={\frac {A_{2}}{\sqrt {1-(A_{2}/A_{1})^{2}}}}{\sqrt {2gh}}} 実用上は、慣性力や粘性によるエネルギー損失が起こるので、実用的な流量を求める式として次のようになる。 Q = C A 2 1 − ( A 2 / A 1 ) 2 2 g h {\displaystyle Q=C{\frac {A_{2}}{\sqrt {1-(A_{2}/A_{1})^{2}}}}{\sqrt {2gh}}} ここで、C は流量係数と呼ばれ、一般的には C = 0.96~0.99 となる。流量係数には計算の便宜上から Q = K h {\displaystyle Q=K{\sqrt {h}}} ただし K = A 2 1 − ( A 2 / A 1 ) 2 2 g {\displaystyle K={\frac {A_{2}}{\sqrt {1-(A_{2}/A_{1})^{2}}}}{\sqrt {2g}}} となるK も用いられることがある。
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