ベンチュリの数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 01:55 UTC 版)
最も単純なキャブレターはベンチュリが1個であるが、より多くの混合気を効率よくエンジンに供給するために複数のベンチュリを備えるものもある。1個の場合はシングルバレル、複数の場合はマルチバレルあるいはベンチュリの数を表現して2バレル、4バレルと呼ばれる。また、エンジンの負荷、すなわちエンジンに送られる混合気量に応じて2種類のベンチュリが段階的に働くキャブレターがあり、ステージドキャブレターあるいは2ステージキャブレターと呼ばれる。これに対し、エンジン負荷の全域を1つのベンチュリでまかなう方式はシングルステージキャブレターと呼ばれる。 例えば、直列4気筒エンジンでシングルステージの2バレルキャブレターが2個搭載される場合や、V型8気筒エンジンにシングルステージの4バレルキャブレターが2個搭載される場合がある。 ステージドキャブレターは、スロットル開度に応じてメインバレル(プライマリーバレル)と、二次バレル(セカンダリーバレル)が段階的に作動する。二次バレルは、メインバレルと同径かあるいはメインバレルより小径で、リンク機構やダイヤフラムアクチュエータにより動作する。メインバレルと二次バレルを2組持った2ステージ4バレルキャブレターもある。ボアの直径の相違やチョークバルブの有無などで、外観からシングルステージの2バレルと判別可能である。アクセル開度が小さいときはメインバレルのみを開き、ベンチュリを通過する空気の流速を増加させて高いベンチュリ効果を確保する。アクセル開度が大きいときは二次バレルも開いて、より多くの混合気を供給する。これにより、広い範囲で適切な混合気を形成する。ヤマハ・V-MAXのVブーストシステムもステージドキャブレターの一種である。
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