ベリーニ 父子の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 04:24 UTC 版)
「ヴェネツィア派」の記事における「ベリーニ 父子の影響」の解説
ヴェネツィア派の中核となったのはベリーニ親子の工房である。 ヤーコポ・ベリーニ は 国際ゴシック様式 に属する画家であったが、 透視図法 の実験にも関心を寄せた。それは息子たちに技術を教えただけではなく、娘婿 マンテーニャから写実主義を取り入れて発展の基礎を築いた。息子 ジェンティーレ・ベリーニは後に ティントレット、 ヴェロネーゼらに引き継がれる カンヴァスを繋ぎ合わせて油彩大画面に仕立て上げる壁画的な題画面形式の確立に貢献した。これは フランドル絵画で今まで板に描かれていた油彩画の在り方を変えた。また彼は肖像画家、壮大な風俗的群像表現に優れた。 ヴィットーレ・カルパッチョはこのジェンティーレの弟子筋に当たる。彼において絵画の主題はさらに世俗化した。15世紀になると ジョヴァンニ・ベリーニによってヴェネツィア派の絵画は新たな展開を見せた。清冽な抒情性と人生の穏やかな観照は自然と人間との親密な関わり合いや自然の光の表現によって達成された。これらには ピエロ・デラ・フランチェスカや アントネロ・ダ・メッシーナらが大きく貢献している。またこれらの主題は風景画家としても優れていたジョヴァンニの手によって、伝統的なモチーフはそのままになごやかなピクニック的情景に変えた「田楽の奏楽」のような野外遊楽図の原型となった。16世紀ヴェネツィア派を担う ジョルジョーネ、 ティツィアーノらは彼の影響を受けている。
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