ヘルギの父がヘルギの母を手に入れる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/07 12:45 UTC 版)
「ヒョルヴァルズルの息子ヘルギの歌」の記事における「ヘルギの父がヘルギの母を手に入れる」の解説
歌はノルウェーの王で名をヒョルヴァルズル(Hjörvarðr)に始まる。彼は4人の妻を持ち、まず、アールヴヒルド(Álfhildr)との間に息子のヘジン(Heðinn)を、二人目のセーレイズ(Særeiðr)との間に息子のフムルング(Humlungr)を、三人目のシンリョーズ(Sinrjóð)との間に、息子のヒュムリング(Hymlingr)を設けた。4人目の妻については語られていないが、あるいは、これから始まる物語の冒頭に登場するシグルリン(Sigrlinn)のことかもしれない。 ヒョルヴァルズルは知りえた最も美しい女性を手に入れると誓いをたてた。そしてある時、スヴァーヴァランド(Sváfaland)の王、スヴァーヴニル(Sváfnir)の娘のシグルリン(Sigrlinn)が最も美しい少女であると知ったため、ヒョルヴァルズルは、イズムンド候(jarl Iðmundr)の息子のアトリ(Atli)を使者として送って、少女に求婚させた。 イズムンドの息子アトリ(Atli Iðmundsson)は冬の間、スヴァーヴニル王の下に滞在したものの、その王に仕えるフラーンマル候(jarl Fránmarr)によって、妨げられた。帰国の途につく前のこと、アトリは鳥に話しかけられた。更に話を聞こうと取引をもちかけたところ、鳥は、多くの宝物(神殿や金の角の牛や財宝)を進呈すれば、ヒョルヴァルズルがシグルリンを手に入れられるかのように仄めかした。アトリは国に戻ると、ヒョルヴァルズル王に自身の任務が不首尾に終わったことを伝えた。 王は、アトリとともにスヴァーヴニル王の下を訪れることにした。しかし、一行が山に登るとスヴァーヴァランドが炎と塵雲に包まれ、馬に乗った戦士達が闊歩するのを見た。それは、シグルリン王女を求めて来たフローズマル(Hróðmarr)王の軍隊で、拒絶されたため武力によって少女を奪おうとしていた。この時既にフローズマル王はスヴァーヴニル王を殺しており、シグルリンの捜索をしているところだった。 夜の間、ヒョルヴァルズル王とアトリは川辺で野営したが、アトリは大きな鳥が止まる家を発見した。彼は眠っている鳥を殺し、家の中のシグルリンとアーロヴを発見した。フラーンマル候は鷲に変身し、魔法で護っていたのだった。ヒョルヴァルズル王はシグルリンを連れて、アトリもまた、自分が殺した候の娘アーロヴを伴って帰国した。
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