フロート水上機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 08:19 UTC 版)
フロート水上機にはフロート(浮舟)を左右に二つ持つ双フロート型や、機体直下に一つ持つ単フロート型などがある。通常、単フロート型は左右の主翼下に補助フロートを配置して水上安定性を保持している。フロートは「ポンツーン」とも呼ばれる。また機体にフロートがついている様子から日本では「下駄履き機」とも呼ばれる。 機体そのものに通常の陸上機との差異はほとんどないので、降着装置を取り替えるなど簡単な改造のみで陸上機を水上機にすることもできる。実際に様々な機体が水上機に改造され、別機体というよりバリエーションの一つとされている場合も多い。非常に希ではあるが、最初にフロート水上機として設計されたものが着陸脚を装備して陸上機になった例もある。(前者は二式水上戦闘機、後者は強風などが主な例である。) 浮力を機体以外の部分で得る関係上、大型の機体ではフロートの重量や空気抵抗などの不利な点が大きくなり、小型・中型飛行機にほぼ限られる。最大のフロート水上機は、第二次世界大戦中に米軍が太平洋の島々への輸送のため急造したC-47の水上機型だったが、肝心のペイロードのほとんどがフロートにとられるなど、上述のフロート機としての欠点があからさまとなり、成功はしなかった。 地上ではフロート下面を擦らないように車輪の付いた台が必要となるなどハンドリングに手間がかかるため、フロートに移動用の車輪(ビーチングギア)を付けたタイプや、離着陸も可能な車輪を付けた水陸両用機が開発されている。
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