フランス人たちの思考
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:33 UTC 版)
また五月革命はうなりを上げるスピードと効率の社会システムを、ひとりひとりが「止めて」みる(ゼネスト)というところに意義があった。 つまり、この社会システムそのものを個人それぞれが吟味し、それが自分にとってどのように関わり、どのように意味をもつのか、国家機構という集団性と自分自身という個人性との関係の基本をあらためて問い直してみた運動でもあった。68年当時、パリ、エコール・ド・ボザールの准教授だったブルーノ・ケサンヌは高揚をまじえながら、五月革命について以下のように述べている。 「革命に参加したそれぞれの人は、ずっとその人自身と積極的に関わっていたんだ。それは不公平に妨害工作をしてやろうとしたのでなく、どうやったらフランスが走ることを止めることができるのかということだった。全世界は、彼らがいったん立ち止まって、その存在条件を社会に反映すべきなんだということに同意していたのさ」 フランス人たちはこのとき、いちど、立ち止まって考えてみたと言える。
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