フラップの作動機構について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 04:33 UTC 版)
「ルフトハンザドイツ航空540便墜落事故」の記事における「フラップの作動機構について」の解説
主フラップと前縁フラップは同一レバーで操作するが、動力は主フラップが油圧に対して前縁フラップは空気圧で作動するという違いがあり、空気圧源は、エンジン起動前は補助動力装置 (APU) の抽気 (bleed air)、エンジン起動後は主エンジンからの抽気という違いがある。さらに、APU からの抽気は主エンジンを起動する際の動力としても使用しているため、抽気配管は主エンジンからと APU からの接合箇所にパイロンバルブが挿入されている。 フラップ作動までの手順は、ボーイング社での原設計では 乗務員がエンジンスターターのスイッチを入れる パイロンバルブが主エンジン側に「開」。 APU からの抽気がエンジンスターターに送り込まれ、主エンジン起動。 エンジン作動により主エンジンの抽気がフラップの動力源となる。 となっていた。しかし、エンジン起動時に APU の抽気が主エンジンに逆流するために主エンジンの効率を落とすなどの問題が発生した。このため航空会社はボーイングに APU の抽気が逆流しないよう対策を求めた。ルフトハンザやブリティッシュ・エアウェイズなどの場合は、 エンジン起動前、航空機関士がパイロンバルブのコックを「閉」とする。 機長がエンジンスターターのスイッチを入れると、自動的にパイロンバルブが「開」。 エンジンスターターのスイッチから手を離すと同時に、自動的にパイロンバルブが「閉」(これによって APU からの逆流を最小限にする)。 航空機関士が主エンジンの出力が上がったのを確認して、手動でパイロンバルブを「開」く。 というシステムに改修した。ちなみに他社では配管内に逆止弁を設ける事によって、APU の抽気が逆流しないようにする方法をとっている。
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