フォーシーム‐ファーストボール【four-seam fastball】
フォーシーム・ファストボール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 05:54 UTC 版)
「速球」の記事における「フォーシーム・ファストボール」の解説
フォーシーム・ファストボール(英: Four-seam fastball)とは、日本で直球もしくはストレートなどと呼ばれる球種。省略してフォーシームとも呼ばれる。 フォーシームとは縫い目の向きを表し、ボールが1周スピンする間に縫い目 (seam) の線が4回 (four) 通過し、マグヌス効果による揚力をより効果的に得られるとされる。 人差し指と中指を並べ、ボールにある縫い目に交差させて握り、リリースの際にバックスピンをかけて投げる。人差し指と中指の間は隙間を開けるのが一般的で、隙間を開けて握る事で制球が安定しやすい。閉じて握ると強い回転はかけやすいが、制球が不安定になりやすく、回転軸も左右にブレやすい。 各球種の中で最も球速があり、打たれ難い基本の球種と考えられているが、同じ直球でも内角・外角の左右の距離感や高め・低めの高低差を使い分けたり、他の球種を交える事で球の軌道や球速の差を利用して打者を打ち取ることが一般的で、こういった工夫により球速の遅い投手でも打者を打ち取ることができる。 純粋なバックスピンに近く、スピン量が多いボールが理想的なフォーシーム・ファストボール(ストレート)であるとされる。これに近い球をキレのある球と呼び、特にキレのある球は球速が速いことに加えて、マグヌス効果により球の重力による落下が他の投法に比べ少なく、打者がボールの下を空振る事を期待できる。ロジャー・クレメンスやランディ・ジョンソン、マーク・プライアーらの投げるものなど、特に浮き上がるかのような印象を打者に与えるものはライジング・ファストボール (英: rising fastball) やマジック・ファストボール (英: magic fastball) と呼ばれている。日本では、藤川球児のフォーシーム・ファストボールが浮き上がるような印象から火の玉ストレートなど呼ばれる。 なお、真っすぐと呼ばれるが、投球動作により、どの投手でも量に差はあるがシュート方向に変化している。サイドスローやアンダースロー投手など腕の角度が低い投手はそれが顕著で、利き手方向に球が沈む軌道を描く場合が多い。
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