フォルツァーノの台本提供
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「修道女アンジェリカ」の記事における「フォルツァーノの台本提供」の解説
新進の劇作家・台本作家ジョヴァッキーノ・フォルツァーノは、プッチーニがその才能に注目し『外套』の台本作成を依頼した一人であった。この際フォルツァーノは「自分は他人の舞台劇の翻案でなく、オリジナルの台本を作成したい」との大望を述べてこれを断っている。 この『修道女アンジェリカ』はまさにそうしたフォルツァーノのオリジナル作品で、17世紀イタリアのとある修道院を舞台とした奇蹟の物語である。はじめフォルツァーノは舞台劇化を計画していたともいうが、1916年から17年にかけての冬にプッチーニにオペラ化の提案が持ち込まれたらしい。『外套』作曲終了直後であり、「三部作」構想のため残る2作の題材を探していたプッチーニはさっそくこの台本に飛びついた。なお、三部作のもう一作『ジャンニ・スキッキ』の台本もほどなくフォルツァーノが提供している。 フォルツァーノとプッチーニの2人は書簡上の相談でなく直接会って制作を進めたこともあって、その後『アンジェリカ』作曲が具体的にどのように進行したのかに関する史料は乏しい。しかし、1917年3月に開始された作曲は同年6月末にはほぼ完成(オーケストレーション含めた脱稿は同年9月14日)したことが判明しており、これは単幕物であることを勘案してもプッチーニにしては異例の速さである。ふだんは台本作家に対して繰返し改稿を要求するプッチーニも、今回はフォルツァーノの台本に大いに満足していたらしい。
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