ピュロディクティウム科とは? わかりやすく解説

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ピュロディクティウム科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/12/26 05:55 UTC 版)

ピュロディクティウム目
分類
ドメ
イン
: 古細菌 Archaea
: クレンアーキオータ界
Crenarchaeota
: クレンアーキオータ門
Crenarchaeota
: テルモプロテウス綱
Thermoprotei
: デスルフロコックス目
Desulfurococcales
: ピュロディクティウム科
Pyrodictiaceae
学名
Pyrodictiaceae
Burggraf et al. 1997

ピュロディクティウム科Pyrodictiaceae )は、デスルフロコックス目に属する超好熱性クレン古細菌である。極めて好熱性が強いことで知られる[1]

分布・特徴

陸上熱水系からの分離離例は無く、沿岸又は深海の熱水鉱床に分布する。細胞形状は、ディスク形からやや不規則な球菌。時に管で複数細胞がつながったネットワークを形成する[2][3]鞭毛をもつ種は少ない。Pyrolobus fumariiを除いて偏性嫌気性で、栄養形態としては、典型的な種では水素存在下硫黄を還元して独立栄養的に増殖する[2][3]。糖類などを含んだ複合基質で硫黄を還元して従属栄養的に増殖する種も多い。数種が酸素チオ硫酸塩、硝酸塩を還元する[1][4]

好熱性は桁違いに高く、至適増殖温度は97-107°Cに達する。増殖温度はおおむね80-110°C、最も増殖温度が高いのは113℃で増殖するPyrolobus fumariiである[1]。未記載種(Strain 121)の中には121°Cで増殖したという報告もある[5]1982年から2008年まで、この科に属す生物が最高増殖温度の記録を持っていた。

参考文献

  • Stetter, K. O. (1982). “Ultrathin mycelia-forming organisms from submarine volcanic areas having an optimum growth temperature of 105 °C”. Nature 300: 258 - 260.
  1. ^ a b c Burggraf S, Huber H and Stetter KO Reclassification of the crenarchaeal orders and families in accordance with 16S rRNA sequence data. Int. J. Syst. Bacteriol., 1997, 47, 657-660.
  2. ^ a b Stetter, K. O., König, H., Stackebrandt, E. Pyrodictium gen. nov., a new genus of submarine disc-shaped sulphur reducing archaebacteria growing optimally at 105°C. Syst. Appl. Microbiol., 1983, 4, 535-551.
  3. ^ a b Stetter, K. O. (1982). “Ultrathin mycelia-forming organisms from submarine volcanic areas having an optimum growth temperature of 105 °C”. Nature 300: 258 - 260.
  4. ^ Blochl E, Rachel R, Burggraf S, Hafenbradl D, Jannasch HW, Stetter KO (1997). “Pyrolobus fumarii, gen. and sp. nov., represents a novel group of archaea, extending the upper temperature limit for life to 113 degrees C”. Extremophiles 1: 14–21.
  5. ^ Kashefi, K. and Lovley, D.R. (2003). "Extending the Upper Temperature Limit for Life". Science 301 (5635): 934.

ピュロディクティウム科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/30 05:46 UTC 版)

デスルフロコックス目」の記事における「ピュロディクティウム科」の解説

3属5種が正式に発表されている。非常に好熱性強く1984年から、Methanopyrus kandleriに更新される2008年まで、この科の生物の最高増温度記録持っていた。Pyrolobus fumariiは最高113増殖し121°C1時間オートクレーブ耐えるとして知られている。Strain 12116S rRNA配列から暫定的に“Geogemma”に所属)は121増殖が可能とされている。 ピュロディクティウム科 Pyrodictiaceaeゲオーゲンマ属 “Geogemma” ヒュペルテルムス属 Hyperthermus ピュロディクティウム属 Pyrodictium ピュロロブス属 Pyrolobus - P. fumarii

※この「ピュロディクティウム科」の解説は、「デスルフロコックス目」の解説の一部です。
「ピュロディクティウム科」を含む「デスルフロコックス目」の記事については、「デスルフロコックス目」の概要を参照ください。

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