ビューファインダーの光学的構造の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 23:44 UTC 版)
「ファインダー」の記事における「ビューファインダーの光学的構造の種類」の解説
素通しファインダー スポーツファインダーとも呼ばれる、枠のみで構成された簡易なファインダーで、光学部品を全く用いないため、軽くて像の歪みが皆無であり見やすい。また折りたたみ式にすることが容易である。ただし、素通しなので像倍率は等倍固定であり、広角レンズ用に用いるには難がある。画面フレームはぼんやりとしか見ることができない。またファインダー自体が大型になるため、小型カメラに用いられる例は少ない。二眼レフカメラやフィールドカメラの補助ファインダーとして広く普及した。 コンツールファインダー フレームの形の切込みを入れた鉄板やガラスなどを用いて画面フレームのみを見せるファインダーで、片方の目でこのファインダーをのぞいて画面フレームを、もう一方の目で直接被写体を見ることでファインダーとして機能する。接眼部にレンズがついており、フレーム部分にピントが合わせてあるので被写体を見ながらでもフレームははっきりと見える。稀に接眼レンズの無い簡易型もあるが、その場合フレームはぼやけてしまう。 逆ガリレオファインダー 接眼レンズに凸レンズを、対物レンズに凹レンズを用いたファインダーで、全体としては負の焦点距離を持った虚像式光学系になっている。ガリレオ式望遠鏡をちょうど逆にした構造になっているため、このような名称になっている。小型に作れ、距離計連動カメラ・コンパクトカメラなどに広く普及したファインダーである。カメラによってブライトフレームや距離計、露出計指針などを表示する仕掛けがあるものもある。レンズにあわせた倍率のファインダーを作ることができるが、簡易なものではファインダー像の周囲が大きく歪むものもある。 ケブラーファインダー 実像式ファインダーとも呼ばれる。ケプラー式望遠鏡に近い構造になっており、凸レンズを用いた実像光学系を用いるが、そのままだと天地左右が逆転したファインダー像になってしまうため、ポロプリズムなどを用いて天地左右を反転させる。きわめて小型に作ることができ、ズームのように像倍率を連続的に変えることが容易なため、ズームレンズを装備した全自動コンパクトカメラに広く普及したが、接眼レンズを正しくのぞかないとファインダー像が見えず、多数の光学部品で作られているため色にじみも多くなりやすい欠点もある。ブライトフレームや距離計を表示させることはできないが、実像による黒いフレームを表示させることが可能。
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